奈良時代の係助詞「なも」に関する考察
奈良時代の係助詞「なも」について、その用例が集中する『続日本紀』の宣命を資料として、平安時代の「なむ」との比較を交えつつ、分析を試みた。「なも」には、表現主体が確かだと認めた内容の特立にはたらくこと、具体的な聞き手に対してもちかける機能をもつことなど、平安時代の「なむ」に連なる特徴が見出される一方、その前接語や結びの述語の種類は少なく、まだ「なむ」ほどの用法の広がりがないことも確認できた。17ページ~32ページ
早稲田大学日本語学会設立60周年記念論文集 第2巻 言葉のはたらき
ひつじ書房
17ページ
32ページ