語りえない「過去」――同時代の反応から見た『或る女のグリンプス』
平成19年6月1日. 『白樺』連載時にほとんど注目を集めることのなかった『或る女のグリンプス』の同時代評を再確認し、組織的に主人公葉子の過去が読者に示されない叙述の形に主因が認められること、また、その語りが男性中心社会の中で主体的に生きることのできないヒロインの受苦的状況を表すために必然的な選択であることを論証したもの。 p20~p129(10p)
『国文学解釈と鑑賞』
至文堂
第72巻
第6号