(研究報告書) 「「二つの中国」政策:四つの起源」(「高度経済成長の枠組みの形成-岸内閣の経済政策-」)
中村隆英ほか13名
〔概要〕戦後日本の中国政策であった「二つの中国」政策の実態を解明し、さらにその政策の背景を四点指摘し、それぞれの担い手と論理を明らかにした論文。その背景とは、まず貿易の利用による中ソ離間の必要性という戦略的安全保障要因、次に日本が戦争に巻き込まれることとなりかねない米中紛争勃発の潜在要因の除去、第三に日本の安全保障上重要とされた台湾が、中国に併合され、「喪失」してしまうことへの恐れ、第四に早期の日中国交回復の条件としての位置付けであった。
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平成8~10年度科学研究費補助金基盤研究(B)研究成果報告書