「1930年代前半期 日英関係の一側面-英外務省の日本経済認識と対日政策の変容-」
〔概要〕1930年代前半に極東での対立を深めていた日英両国に和解の可能性がなかったのかという点を、イギリスによる宥和政策の可能性という角度から探求した論文。イギリスの対日宥和は、結果的に本格化することはなかったが、その理由は、日本の無秩序な経済的膨張を経験していた英外務省が、いっそうの経済力の強化と同時に日本政治から「合理性」が失われつつあると認識し、宥和の代償が見込めず、むしろこれに脅威を感じたことに求められる。
渋沢史料館『渋沢研究』
第9号
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