「日満ブロック経済論と自由通商主義」
〔概要〕日本を対中戦争から対米英戦争へと導いた要因として対外経済政策における自給自足圏構想の存在が指摘されるが、これを抑制し得る可能性を持っていた「自由通商主義」がいかなる働きをなしていたのかについて検討した論文。結果、その後の展開に与えた「自由通商主義」の役割は大きいものではなかったが、それは安全保障面での準拠枠組の形成において、満州経済開発・日満一体化による原料自給と重工業化による「自存自衛」体制の構築という枠組に対抗しうる枠組みを提示し得なかったことに求められる。
『法学政治学論究』
第23号 567 598 19941200
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