中国の聴覚Ⅱ―風景に音声はあるか―
中国文化に於いて、「風景」は絵画(山水画)によって描かれるだけでなく、詩(山水詩)にも詠まれてきた。本稿では、『三体詩』『瀛奎律髄』に見え、特に宋代以降詩論に用いられるようになった「景」と「情」、或いは「実」と「虚」の理論を手がかりに漢詩に於ける聴覚の意味を検討した。そして、それと関連して詩画一体論についても、表象の現前性の観点から考察を加えた。
『山形女子短期大学紀要』
山形女子短期大学
第30集
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