漢詩に於ける音声表現とその意味に関する研究
「中国の聴覚」研究の一環として、以前中国詩の原点とも言える『詩経』の音声表現について論じた。本稿では、少し時代をくだり「秋声賦」「鬼車」詩など音声に対し独特の指向が認められる北宋の士大夫欧陽脩の漢詩に見える音声表現を抽出・分類した。宋代の詩は、その内容が生活の細部にまで及び、日記のように自ら体験し思索した日常を活写する傾向が強くなる。分類は、自然音・人間にかかわる音声・時の鐘や交通の音などの社会的音声などで、使用頻度と具体例を挙げた。
『私学研修』
私学研修福祉会
第151・152号
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