「『恵信尼文書』にみる恵信尼の極楽往生への不安―死装束としての小袖をめぐって―」
親鸞の妻恵信尼の信仰について、恵信尼が末娘覚信尼に宛てて書いた書簡をもとに論じた。本稿では、恵信尼は、自らの極楽往生を不安に思い、死装束と極楽往生の可否を結びつけて考え、念入りに死装束を準備していたことを明らかにした。その上で本稿では、親鸞の信仰と恵信尼の信仰には隔たりがあることを指摘した。
『親鸞の水脈』
真宗文化センター
第10号
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