企画展「望月桂　自由を扶くひと」

足立元

原爆の図丸木美術館

アナキスト芸術家であった望月桂の幅広い活動と、その活動に貫かれた自由と扶助の精神を紹介する展覧会。美術館学芸員や地元地域の関係者、美術・文学・社会運動などの研究者、アーキビスト、ジャーナリスト、編集者らによる「望月桂調査団」の資料調査の成果発表でもある。調査団に参加したアーティストの風間サチコ、卯城竜太、松田修は、本展のタイトルやロゴマークの考案、展示監修、映像制作、そしてアンデパンダン展の祭りを行った。望月とその仲間たちの作品と実践は、今日のソーシャリー・エンゲージド・アートを先駆けるものでありながら、長らくその全貌は明らかではなかった。本展では、油彩画、水墨画をはじめ、デッサンや漫画、さまざまな関連資料など約120点からなる、初めての本格的な望月桂回顧展である。