小説の地の文につかわれる「してしまう」文
3人称小説の地の文において、「してしまう」動詞には、「登場人物がおこなった動作の実現にたいするかたり手の強調」をあらわす用法があることをしめし、また、会話文とことなり、地の文においては、一般的に先行研究でいわれるような、「不都合」「予定外」あるいは「マイナス的ないみあい」をみいだすことができなかった。藤井の規定、「話し手の感情・評価的な態度」をみいだすことができない「してしまう」が存在することを発見した。 (9ページ)
国文学 解釈と鑑賞
至文堂
1月号
72
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