地の文の述語につかわれる「してしまう」
呉(2007年01)でとりあげきれなかった3人称小説をあわせて1人称小説でつかわれる「してしまう」文をとりあげる。具体的な場面描写のほかに説明的な「構文論的な統一体」に存在する「してしまう」文についてもとりあげる。 「してしまう」研究における形態論的、構文論的なアプローチのほかにテキスト論の可能性についてのべた。すでに行った「~してしまうと、~。」の分析と比較し、終止形の「してしまう」と「すると」の形をとる「してしまう」のあいだには質的なちがいがあることを論じた。 (39ページ)
日本文学研究誌
大東文化大学大学院文学研究科日本文学専攻
第5輯
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