謝霊運山水詩における自然描写の特質
中国における自然詩の流れの中で、六朝謝霊運の 山水詩は、『詩経』の原初的な自然描写“興”から唐代(特に王維)の完成された叙景詩への橋わたしとしてとらえられる。しかし、謝霊運詩の魅力は、単にその自然描写の技巧の高明さのみに帰因するのではなく、詩を背後から支えた謝霊運の悟道への希求にも求めるべきものである。
二松学舎大学東洋学研究所集刊
第28集
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