風土記の浦島子伝と漢籍――中国型始祖神話としての浦島子伝――
古代文学会12月例会
共立女子大学
本発表では、『丹後国風土記』逸文「浦島子」の諸々の表現を検討し、当該記事が『文選』「高唐賦」「神女賦」を下敷きに記されたことを論じた。日本文学の解釈にあたり、漢籍を想定することは周知のことであるが、当該記事にあってその方法は、潤色として処理され、解釈に影響のないものとして扱われてきた。本発表では、漢籍における王の記述のありようが、古代文学に多大な影響を与えていることを論じた。