風土記の浦島子伝の研究Ⅱ――冒頭部の「所由」考――
『丹後国風土記』逸文「浦島子」の冒頭の「所由」の使用を検討し、当該部を伊預部馬養の筆によるとする先行論に対し、当該記事の筆録者は別にいることを論じた。日本文学において、伝承をどのように考えるかということは、先行論においても大きな問題となってきた。本稿では、伝承を前提として解釈を行ってきた先行論を批判・整理しつつ、当該記事を伝承ではなく記述のレベルで捉えることの必要を併せて論じた。
『都留文科大学大学院紀要』第23集
都留文科大学大学院
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