近年、チャームやボトムという重いクォークを含むハドロンの物理が多様な広がりをみせている。最近発見された多くの重いハドロンは、4個、5個あるいはそれ以上のクォークを含む可能性があるため、エキゾチックな構造をもつハドロンとして注目を集めている。これらは、X, Y, Z, Tcc, Pcなどと呼ばれており、実験と理論の両面から活発に研究がおこなわれている。本講義では重いエキゾチックハドロンの最近の研究の進展を紹介する。重いエキゾチックハドロンを理解するための重要なキーポイントのひとつは、重いクォークのスピン対称性がエネルギースケールを超えて低エネルギーのハドロンの諸性質に直接反映されることである。この点に着目して、一般的な重いエキゾチックハドロンの構造の議論を概観して、具体的な例としてX, Y, Z, Tcc, Pcなどのハドロンの質量、反応、生成を理解する。とくに、Tccは、昔からの理論研究の末に最近ようやく実験で見つかった重要な4クォークのエキゾチックハドロンのひとつである。さらに、重いエキゾチックハドロンの有限密度への広がりとして、核媒質におけるチャーム・ボトムハドロンの研究をまとめる。最近の研究として重いハドロンに特徴的な性質であるスピン-アイソスピン近藤効果について議論して、極限的な状態としてクォーク物質におけるチャーム・ボトムクォークによるQCD近藤効果について紹介する。