鉄道・<日本>・描写-花袋の紀行文『草枕』をめぐって-
花袋の紀行文『草枕』(明治38年)を従来とは異なる視点から考察した。『草枕』はおもに作家論的な面から論じられてきたテクストであるが、そこには、発表時における様々な問題系が包含されている。花袋が訪れる多くが<日本>の境界に位置する場所であることや、そこにみられる方言などに着目した。そのような点から、明治30年代における「紀行文」の隆盛という出来事を研究する意義について論じた。
二松学舎大学論集
二松学舎大学
第43号
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