「平面描写」と「焦点化の力学」
物語分析では「視点」の問題とも重なる<焦点化>の問題を扱った論。「2」ではそれと<人称>との関係を扱ったが、小論では、物語内容との関係を考察した。先行研究では、花袋の実生活との関係を中心に論じられる『生』は、<焦点化>の概念を導入することで新たな面がみえてくる。嫁/姑、あるいは妻/夫といった関係の逆転など、フェミニズム的要素などもふくんだ「現代的」主題が紡がれることを指摘した。
坩堝
二松学舎大学中村研究室
創刊号
14
20