つかのまの休息の物語―小津安二郎『お茶漬の味を読む―
平成19年8月10日. 小津安二郎の映画『お茶漬の味』には、「シンガポール」「ウルグアイ」という二つの国名が登場する。だが、これらの国名が格別注意されることは従来なかった。資料をもとに描かれる時代状況を重ねると、この映画が、シンガポールから戻った〈日本軍兵士〉が〈企業戦士〉としてウルグアイに赴く物語、として読むことができることを論じた。
日本文学
8月号
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