『荒野』後の武者小路実篤―散逸小説「楽天家」を中心に―
武者小路の散逸した長編小説「楽天家」を論じた。当時の書翰などから、この作品が感想や詩や日記をとりこんだ、原稿用紙三百枚以上の小説だったことがわかる。この断片を綴じ合わせたのが「旧稿の内より(潔の日記)」であることを論証し、さらにこの参照によって、「楽天家」は原「お目出たき人」と見なしえると考察した。
『昭和学院短期大学紀要』
第38号
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