『宮河歌合』本文再考
査読論文。 『宮河歌合』第一類本を底本とした注釈書の校訂に用いられ、新編国歌大観、岩波文庫の底本である中央大学本を他本と比較し、その特徴について明らかにした。この本は同系統の第三類本と比較しても、独自の異文が確認でき、西行の他家集とも異なる本文があることを示した。また、勅撰集入集の際に改作された本文が反映していることも指摘した。定家の記紀神話への関心の分析も踏まえ、一番判詞は第一類本の本文で読解できると結論づけた。 13頁
『西行学』
第6号
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