「関帝文献」における関羽の世系について――関帝信仰にとっての不都合な事実の克服――(『三国志学会二十周年記念 三国志論集』)
正史『三国志』関羽伝注引『蜀記』に関羽の子孫は滅ぼされたと記されることは、後世の関羽の末裔を称する人々にとっては甚だ不都合であったろう。本稿はこの不都合がどのように克服されようとしたのかを「関帝文献」に見える関羽の世系から論じる。後発の「関帝文献」に見える関羽の世系ほどその成員は増やされ、彼らの末裔と称する人々は世系上の人物と自分たちが関羽の直系であることを主張しようとした。それは大きな優遇を与えられる奉祀生や五経博士の地位を獲得・維持するための対策であった。
321~340
汲古書院
20
978-4-7629-6781-8