「関帝聖蹟図」の構成要素について

前稿に引き続き、やはり李世偉「創新聖者：《関聖帝君聖蹟図誌》与関帝崇拝」論文を足がかりにして、『関聖帝君聖蹟図誌全集』に「歴史化」という特質があるという李氏の指摘が妥当か否かを、『関聖帝君聖蹟図誌全集』の「圧巻」とされる「関帝聖蹟図」に絞って検討した。「関帝聖蹟図」には確かに史書に由来する要素も見られるが、王朱旦「漢前将軍壮繆侯関聖帝君祖墓碑記」や『三国志演義』、民間伝説など史書以外に由来する要素を持つ図が圧倒的に多く、李氏の指摘が妥当とはいえないことを指摘した。

二松学舎大学　東アジア学術総合研究所集刊

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