「関帝文献」出版の目的―『関帝事蹟徴信編』光緒八年序重刊本を例として―
『関帝事蹟徴信編』光緒八年序重刊本に出資した人々の出身地や業種の分析を通して「関帝文献」出版の目的の一端を明らかにした。「民」による出版物である該書から関帝信仰が生活に深く根ざしていたことが再確認でき、良著たる『関帝事蹟徴信編』を普及させたいという目的が見て取れる。また、『関帝事蹟徴信編』には儒教を信奉する士大夫の価値観がより強く打ち出されているが、翻刻者も同じ価値観を持っており、道教神ではなく儒神としての関帝像を普及させようとしたことがもう一つの目的であったろう。
二松学舎大学 東アジア学術総合研究所集刊
二松学舎大学東アジア学術総合研究所
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