戦犯の孫―「日本人」はいかに裁かれてきたか―
東条英機、土肥原賢二、広田弘毅、東郷茂徳というA級戦犯の孫たちと、アジア各地で裁判にかけられたBC級戦犯のライフ・ヒストリーを掘り起こした啓蒙書である。残留日本兵研究を進めていくなかで、戦犯容疑を恐れてアジアに残留した憲兵らが一定数いることがわかった。そこで彼らの残留動機の解明のために戦犯研究を行ううち、戦犯の孫たちと朝鮮人・台湾人戦犯の存在に接し、これまであまり知られてこなかった日本戦後史を示した。(206頁)
新潮社
全206頁