最後の元残留日本兵―インドネシア独立戦争の陣中日誌を読み直す―
二松学舎大学人文学会第122回大会
二松学舎大学1号館201教室
「アジア解放戦争の英雄」として理解されがちなインドネシア残留日本兵の犠牲に着目し、対オランダ独立戦争の日常について考察した。最後の元残留日本兵と呼ばれたラフマット・小野盛氏の陣中日誌の記述から、残留日本兵たちが風土病に苦労していたこと、兵器の改良に失敗して事故が起きていたこと、事故死を「戦死」と装うこともあったことを指摘し、「アジア解放戦争」の現実が過酷なものだったことを一次史料によって裏付けた。