幻の日本人部隊―脱植民地期ジャワにおける残留日本兵の役割―
インドネシア独立戦争中にジャワ島西部と東部で組織された日本人部隊の「小世界」を、新たに発掘した2つの資料を用いて検証した。1つ目は西部ジャワ日本人部隊に参加したフセン・藤山秀雄氏が1980年代から1990年代に書き溜めた回想記である。2つ目は東部ジャワ日本人部隊の指揮官だったスカルディ・杉山長幹氏の口述記録で、1992年に同僚がテープ録音したものである。いずれも隊員間の駆け引き、衝突、主導権争いが絶えなかったことを示していた。(21頁)
『軍事史学』
軍事史学会
第44巻
第1号
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