インドネシア9・30事件以後の社会変容―村長の手記(1985―1990年)を中心に―
インドネシア共和国東ジャワ州バトゥ市バトゥ郡ブンガ村(仮名)におけるフィールドワークをもとに1965年の住民虐殺以後の社会変容を明らかにした。その際、2011年の現地調査で発掘した1985年から1990年にかけての村政を村長が綴った手記を解読して用いた。その結果、インドネシアの開発や発展からは外れた「辺境」の共同体でも虐殺は起きたこと、虐殺以後も、被害者家族、加害者家族、傍観者は隣り合わせに共存しているという現実を示唆した。(32頁)
『次世代アジア論集』
早稲田大学アジア研究機構
第6号
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