インドネシア残留日本兵の社会史的研究1942-2014
インドネシアのナショナル・ヒストリーを形成する上で重要な歴史的出来事を、残留日本兵というマイノリティの存在の視点を通じて捉え直すことで、国軍中心史観を実証研究によって相対化し、従来の先行研究よりも長い時間軸の中で比較検討した。具体的には、ふたりの残留日本兵のライフヒストリーを縦軸に、日本占領期、革命期、議会制民主主義期、1965年の9・30事件による社会変容、スハルトの翼賛的な個人支配、民主化と地方分権の過程を横軸として描くなかで、従来の歴史像を修正した。(350頁)
博士学位論文
一橋大学大学院社会学研究科