ベトナム戦争の時代を生きた台湾人日本兵―中村輝夫と荘百泮―
アジア・太平洋戦争後に東南アジアに残留した台湾人日本兵の中村輝夫氏と荘百泮氏の軌跡を通じて、ベトナム戦争の時代の記憶を従来とは異なる視点から描き出した。中村氏1974年にインドネシアのモロタイ島で「発見」され、台湾に「帰還」した。荘氏は、アジア・太平洋戦争、第一次インドシナ独立戦争、ベトナム戦争という3つの戦争を経て、難民として日本に「帰還」した。残留という現象に台湾、冷戦という要素が及ぼした影響を明らかにした。(14頁)
大阪経済法科大学アジア研究所
64号
37
50