虐殺以後の村落社会における権力関係の形成と変化―インドネシア9・30事件の事例研究―
9・30事件の過程で虐殺が生じた村落社会のその後を描くことで、虐殺以後の村落社会における権力関係の形成と変化を事例研究によって明らかにした。虐殺後の村長選挙で村政が一新された調査村では、虐殺の被害者家族を最下層、村役人たちを最上層とする新たな人間関係の序列にもとづく権力関係が生まれたが、1980年代を境に被害者家族、加害者家族、傍観者の関係は変化していき、村人たちは新たな生活を模索していたことが明らかとなった。(14頁)
『アジア太平洋レビュー』
大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター
第10号
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