本稿は町千寿郎・エディ・デュフルモン編『自由民権運動期におけるヨーロッパの思想と漢学―接触、交流、翻訳―』汲古書院、2026、のうちの1章分として分担執筆したものである。明治中期から昭和初期にかけて内村が執筆したテクストのうち、民主主義やデモクラシー、議会、などに言及したものを抽出し、分析を行った。その結果、内村の民主主義観は帝国議会の状況や第一次世界大戦と国際連盟の成立など国内外の情勢に影響を受けていたこと、外国人宣教師に対する批判と民主主義への批判を結び付けていたこと、キリスト教思想との関連で自身の抱く理想化された民主主義観を主張していたこと、などが明らかになった。