第9章 都市の教会からみた近代日本とキリスト教 を分担執筆。前半では19世紀末から20世紀前半の東京(旧東京市)におけるプロテスタント教会の立地状況とその特徴、変化、その背景について考察を行った。東京市の都市空間の変化に伴い、教会の立地状況が変化する様子が明らかになった。特に大正時代以降の新興住宅地の開発による市街地拡大と歩調を合わせるように教会の新規立地が確認された。後半では都心の教会の設立と移転の背景に関東大震災や宮内省との関わりが見られた点や、無教会主義キリスト教の主要な活動拠点が私鉄沿線に分布していたことを明らかにした。