災害を通じた宗教集団と地域社会の関係の変化について―近代期奄美大島のカトリックの事例を中心に―
本稿では奄美大島におけるカトリックと地域社会の関係の変化を昭和初期から第二次世界大戦後の名瀬大火の頃までを概観し、災害を契機とする宗教集団と地域社会との相互関係について検証した。カトリックは昭和戦前期に一度島から排除されたが、戦後は台風や大火などの災害からの復興を通じて地域社会と新たな関係を構築した。ここから、災害を契機とする宗教集団と地域社会の関係の変化のモデル化の可能性も示唆された。
京都歴史災害研究
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