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基本情報
近代日本の都市部におけるプロテスタント教会の立地と災害とのかかわりについて、神戸市と函館市を事例に検討した。神戸市は1938年の阪神大水害によって、函館市は1934年の函館大火によって、それぞれ都市全体が甚大な被害を被った。こうした都市部の大規模な災害が教会の立地に与えた影響について検討した結果、両都市とも災害による教会の移転が確認された。中でも函館市では大火後の数年の間に2~3回移転する教会が見られた。神戸市では水害の被害が大きかった場所の教会の殆どはその場にとどまったが、被害が相対的に小さかった場所の教会が移転していた。都市の人口規模や都市空間の違い、災害の特性などが教会の立地に影響したと考えられる。 |