「排除の地理学」序説
人間が異質なものを排除するという普遍的な現象を地理学的に読み解くにあたり、二つの概念―「社会-空間弁証法」と「記憶の場」―の妥当性を検証した。排除に関わる物理的空間と言説、集合的記憶とが複雑に関係しあう状態、いわば「排除の物語」が景観や空間の形成に大いに影響を及ぼしている。排除という普遍的で多面的な現象と空間とのこうした関係は地理学が注目しなかった視点であり、当該論文はこの点を明らかにできた。
立命館文学
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