〔口頭発表〕文化財の「返還」問題 -「誰から誰に」「どこからどこへ」、そして「『返還』することは『保護』なのか」という問いについて -
世界遺産研究会
読売新聞本社 会議室
植民地支配の時代や戦時下に「持ち去られた」文化財の「返還」をめぐる国際法上の論点を整理し、制度の限界を踏まえたうえで、そもそも文化財は誰のものなのか、どこでどのように「保護」されることが望ましいのかといった根本的課題についての問題提起を行った。「人類共通の遺産」として扱われてきた文化や文化遺産に関して議論するとき、もはや「人類」という主体だけでは語れない時代になっているのではないかという疑問も提示し、それを国際法の観点からどのようにアプローチすべきかという問題提起も行った