映像批評の方法―「読む」こと、あるいは映画の迷宮への誘い
平成8年12月25日. 書き下ろしは二編。 映画映像のテクストを、小説テクストのように「読む」ことを試みた論考を集めた著作である。特に、各テクストでの「語り」の構造を明確化することで、岩井俊二の映画作品やウディ・アレンの映画作品を、小説テクストのように論じた。さらに、そこに芥川龍之介の「羅生門」論を並置することで、論じる方法が同じであることを示すと同時に、映像史や映像論を、文学論の文脈で提示した。また、いわゆる分析の原理論もここで示したが、物語構造の静態的な構図を指摘するにとどまり、いわば構造主義的な分析の限界を示すことにもなった。 全P268
彩流社
全P268