秦觀の思想―蘇門六君子研究―
第45回 東北中国学会大会
学会発表 北宋の士大夫秦観は、所謂「蘇門六君子」の一人に数えられ、その中でも蘇軾との密接な関係が窺える。彼は文学、特に「詞」の作者として名を知られるが、その文集『淮海集』を検討してみると、独自の世界観・人間観を持っていたことがわかる。 本発表では、文集の中から『孟子』の説く「浩然の気」に関する部分に注釈を加えた「浩気伝」、仏・老を交え心を説く「心説」をはじめ「聖人継天測霊論」、「変化論」、「君子終日乾乾論」等を取り上げ、そこから読み取れる秦観の思想の枠組みを検討した。