『荒野』―若きトルストイアンの本―
武者小路実篤の第一創作集『荒野』の作品論。後の彼の文学世界とは異なり、この本はトルストイの思想的影響を濃厚に受けた作品だった。トルストイの思想をラジカルに体現し、かつ文壇の動向にも関心をもって自身の創作を模索していた状況を、文壇時評や志賀直哉の日記などをもとに考察した。
『国文学 解釈と鑑賞』
第64巻
2号
56
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