関帝の肖像について
三国志学会第十回京都大会
三国志学会
龍谷大学
「関帝文献」所収の関帝の肖像にどのような特徴があるのかを探った。これらの肖像がすでに関羽像のスタンダードとして普及していた『三国志演義』の関羽像をおおむね踏襲していること、これらの肖像が静的で文官の趣を持つことから「義」の理想を体現する関帝の「神格」を表現しようとする明清の知識人の意識が見えること、ひいてはそこに関帝を孔子になぞらえようとする動きが見出せること、「関帝文献」における関帝の肖像にも明清に流行した人相術の深い影響が見て取れることを示した。