小説の地の文につかわれる「してしまう」-述語を中心に-
全国大学国語国文学会第103回大会(夏季)
東洋大学
本稿では、3人称及び1人称小説の地の文の述語につかわれる「してしまう」には、「登場人物がおこなった動作の実現にたいするかたり手の強調」をあらわす用法があることを紹介する。なお、3人称小説をあわせ、1人称小説の地の文の述語につかわれる「してしまう」を分析する際に「文連続」という単位の設定の必要性を発見したため、「してしまう」研究における、形態論的、構文論的なアプローチのほかに、テキスト(テクスト)論の可能性についてものべる。