連体形をとる「してある」をめぐって-終止形と比較して-
全国大学国語国文学会第114回大会(冬季)
大阪樟蔭女子大学
終止形と連体形をとるそれぞれの「してある」の前にくる名調の格標示の分布は相当な異なりがある。終止形の使用において、「机にコップがおいてある。」のような文構造をもつ文がもっとも多く、一方で、連体形のばあい、「コップをおいてある+机」のような構造をもつ使用例がもっとも多い。このことから、終止形よりも連体形の「してある」の使用に「他動性・はたらきかけ性」が残っていると考えられる。