「しておく」が述語につかわれる文について
「しておく」があらわす動作は、《動作主が一定の根拠をもとに、そうすることが理想的な未来の現実の実現にむすびつく、と判断しておこなう動作》である。従って、「しておく」のさししめす動作が理想的な未来の現実の実現にむすびつくのだと動作主に判断させることがらが「しておく」文の成立に関与する。本稿ではその「根拠らしきことがら」と「しておく」文とがかかわりあっている現象を列挙し、典型的な「しておく」文と、大きくタイプのことなる文の存在も指摘する。 (7ページ)
日本文学研究
大東文化大学日本文学会
第43号
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