「総合的な学習(探求)の時間」における「総合」の含意 ―「学習指導要領・解説」の分析を通して―
総合的な学習の時間の誕生以降、3つの学習指導要領を比較検討する中から、総合的な学習の時間の基本的な性格に変化はないことを明らかにするとともに、この学習・探求が「総合」と称される特異性は、教科横断性にあるというよりも、学習者の生き方の模索と結びつくゆえに「総合」とされていることを示した。さらに、その学習者の生き方の模索には、既存社会への適応的な模索と、既存社会改良的な模索との二面性があることを指摘した。前者はキャリ教育的な課題であり、後者はシティズンシップ教育的な課題である。
二松学舎大学論集
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