南方の志士と日本人―インドネシア独立の夢と昭和のナショナリズム―
インドネシア人初の日本留学生で、戦時中「親日」と「反日」のはざまで揺れながら対日協力者となったふたりの人物の軌跡から、日本軍政とインドネシア独立の攻防を考察した。スマトラ島出身のジャーナリスト・ウスマンの妻と娘がインドネシア語で綴った回想記と日本語資料を照合することによって、大アジア主義者の頭山満、軍政監部顧問の徳川義親、陸軍司政長官の矢野兼三、南方徴用作家の武田麟太郎らと対日協力者たちの動向が明らかとなった。(220頁)
筑摩書房
全220頁