軍神と英雄――日本とインドネシアの戦没者の比較
二松学舎大学文学部シンポジウム「幽霊の歴史文化学――それはどこに宿るか」
東京都千代田区・二松学舎大学九段キャンパス中洲記念講堂
幽霊がナショナリズムと相性が悪いのに対して、日本の軍神とインドネシアの英雄はナショナリズムを象徴する存在であると指摘した。また日本の軍神が国民の願望によって「下から」誕生し、敗戦後に忘却されたのに比べ、インドネシアの英雄は国家によって「上から」創られ、現在も増え続けていること、両者の相違は日本人によってインドネシア残留日本兵が「軍神」として再発見されるというねじれ現象を生んでいることを明らかにした。