日系族―インドネシアに根付きゆく新種族(suku bangsa baru)―
第4回研究発表大会研究発表
慶應義塾大学湘南藤沢学会
東京都港区・六本木ヒルズ森タワー40階キャラントC1
インドネシア独立戦争後に生き残った残留日本兵たちがインドネシア国籍を取得して「日系族」を目指した歴史を報告した。残留元日本兵たちが1979年に首都ジャカルタで設立した互助組織・福祉友の会の20年余の足跡を振り返り、典型的なライフコースを送った人物の声を拾い上げて分析した。その結果、彼らは自らを意図的に「棄民」、「英雄」として演じることにより、戦略的に「日系人」というアイデンティティを獲得していたことが明らかとなった。