日本兵がみた大戦・脱植民地化・冷戦
大阪経済法科大学アジア研究所第2回多文化共生社会研究会
大阪府八尾市・大阪経済法科大学
日本兵の視点から第二次世界大戦、東南アジアの脱植民地化、冷戦を捉え直した。大戦によって「失業」した日本兵たちのなかには、東南アジア各地の軍隊や武装勢力の求めに応じて「雇用」され残留した者が一定数いたが、戦争が終わる頃までにその役割を終えた。ベトナムの日本兵たちの多くは帰国する一方で、インドネシアの日本兵たちは18年近い年月をかけて現地国籍を獲得した。総じて脱植民地化と冷戦は基本的には日本兵排除の方向に働いていたことを示した。