<私の研究>自己語り史料で歴史を描く
言語論的転回以降、個人の主観性に着目し、人間の感情に向き合おうとする現代歴史学の潮流のなかに自らの研究を位置づけた。過去に執筆した卒業論文、修士論文、博士論文の内容に言及しながら、20歳の夏にインドネシア共和国のジャワ島で元残留日本兵の生き残りに出会った以来、インドネシア独立戦争に従軍した日本軍兵士の日記、戦闘記録、口述資料、自叙伝、回想録を用いた自己語り史料研究に一貫して取り組んできたことを示した。
二松学舍大学人文論叢
二松学舍大学人文学会
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