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帝国日本をめぐる膨大な人口移動が、単に帝国崩壊によって引き起こされただけでなく、戦後東アジアの地域秩序の形成によっても強く規定されていたことを、朝鮮、満州、台湾、沖縄、台湾、南洋地域の社会問題と関連づけて検証した。 (編者:蘭信三、248頁) (担当部分:蘭印引揚者のライフヒストリー、150~158頁、単著)第Ⅲ部「沖縄、台湾、南洋をめぐるひとの再移動の諸相」の論考である。 戦前のオランダ領東インドに渡り、鉄工場を経営していたひとりの日本人のライフ・ヒストリーを紹介した。山口県大島出身の広岡勇氏は、アジア・太平洋戦争開戦前後に故郷に引揚げるも、軍政要員として再びインドネシアに向かい、現地で日本軍に召集される。敗戦後、ジャワ島で残留した広岡氏は、現地の女性と結婚し、日系人として永住する。その軌跡を通じて、大日本帝国の拡大と崩壊にともなう人の移動の一事例を示した。 |